滝とキャンプと。

スーパーカブ110Pro(JA10)で、全国の滝を巡ったり、キャンプしたり、香川でうどん食べたりしてます。2020年3月より、ナチュログからの移行期間として同じ記事をUP中。記事内のリンクはナチュログに飛びますのでご了承下さい、いずれ直します。

【日本刀】 関鍛冶伝承館(岐阜県関市) 前編 @南アの滝巡り2日目(3)

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2015.4.21


10:10、目と鼻の先にある、関鍛冶伝承館に来ました。(入館料¥200)





受付嬢 「写真撮影OKなので、どんどん記念に撮ってくださいね~」


太っ腹だな。岡山の備前長船刀剣博物館は館内撮影禁止だったような。

刀匠の人形がお出迎え。





1階は、主に現代の刀匠による日本刀展示と、その解説。
2階は、戦前までに作製された日本刀と、世界各国のナイフ作家が手がけた
アウトドアナイフが展示されています。 じっくり舐め回すように堪能しますよ!

※ブログ主は大学で冶金を専攻していたので、金属加工の基礎知識は持ち合わせています



まずは1階。





日本刀の行程で、刃先だけに焼き(加熱後に急冷)を入れて硬度を上げる行程があるのですが、
その際に土を塗りつけることで冷却速度を加減しています。
(刃先は冷却速度を早くしたいので、土は少なくする)

日本刀の刃紋は、その刃先と側面に付ける土の量が違うことに起因しています。
刀匠ごとに癖が出るのも、刃紋の面白いところですね。







※正式には「刃文(はもん)」ですが、「刃紋」の方が一般にはしっくりくると思うので
 刃紋で統一します。




立派な太刀だなぁ。 これだけ反ってたら、鞘を作る職人さんは腕の見せ所だね。





刃渡り70cmほどの日本刀を持てるコーナー。  ※ワイヤー付きで、刃は潰してあります




体感的に、金属バット持ってる感じ。
こんな重さで刃が付いてたら、そりゃザックリいきますわ。





精錬して、延ばして、鍛錬して・・・行程を経る度に、見た目も大きく変わります。





各行程のビデオが見られるのですが、





色々と職人芸すぎてワロタ。 知ってたけど、研ぎ師ヤバすぎ。
下の写真、研ぎの終盤なのですが、薄い砥石の欠片を刃先に乗せて、





地道に研いでいきます。





これの何がヤバいかというと・・・お気付きの方もいらっしゃると思いますが、



まず、指紋が無くなります。


そのうち、皮膚が無くなります。


そうすると、露出した肉から血が止まらない・・・



これに耐えられず、弟子を取っても殆どがすぐ辞めていくそうです。
このビデオに出演してる職人さん、指先の皮膚カッチカチなんだろうなぁ・・・



研ぎ師についてもう少し知りたい方は、以下のゆる~い記事をどうぞ。

刀研ぎ師の仕事場をたずねてきたデイリーポータルZ

ブログ主も頑張って、もう1つの刃紋を撮ろうとしましたが断念しました。



敗戦後は需要が激減し、日本刀自体に登録が必要になるなど、面倒事も増える一方。
陶器や着物と同様、伝統工芸の美術品として細々と作っていくしかないという現状です。
需要の減少、後継者不足、かといって機械化困難・・・抱える問題は、他の伝統工芸と一緒です。

刀の形状をミクロン単位で3Dスキャンできるようになれば、
鞘はマシニング加工、鎺(はばき)は3Dプリンタでいけるようになるのかもね。
現状、汎用品の金型師は徐々に3Dプリンタに置き換わっているし。



日本人の「ものづくり」における、プライドの塊みたいな物なんだけどなぁ・・・
ゲームとかの一過性のブームではなく、何かいいアイデアがあれば・・・





おっと、1階だけで1時間以上経ってた。 では2階へ!





続きます